明暗 light and shade 2005 2 9

 2005年2月8日の「明暗」という記事で、
この20年間で、「何が、日本経済に起きたのか」を説明しました。
 そうすると、こういう質問が寄せられました。
「バブル崩壊の原因や、その後の不況の原因も、わかった。
では、バブル経済の時、どうすれば、よかったのか。」
 その答えは、おそらく、こうです。
政府の取るべき政策は、
「不動産融資の総量規制」という「規制」ではなく、
「規制緩和」だったのです。
 不動産価格が高騰しているならば、供給を増やせばよかったのです。
不動産価格も、「需要と供給の法則」の下で、動いています。
だから、不動産に関する「複雑な規制」を緩和して、
不動産の供給を増やせば、不動産価格は低下しました。
 東京タワーや高層ビルから、東京を眺めると、どう見えるでしょうか。
東京は、ほとんど平らに見えるでしょう。
バブル経済当時、東京は、世界で一番高い地価だったのです。
世界で一番高価な土地が、全く、有効利用されていない状態でした。
世界で、こういう都市は、珍しいでしょう。
これでは、金融機関や企業が「金余り」になれば、当然、バブルが発生します。
(株式市場でも、流動性の小さい、品薄の株は、すぐ高騰します)。
 そういうわけで、バブル経済の時、
取るべき政策は、「不動産融資の総量規制」という「規制」ではなく、
不動産に関する「複雑な規制」や、建築に関する「複雑な規制」に対して、
「規制緩和」すべきだったのです。
 もちろん、当時、こういう政策について、理解している人は多かったのです。
では、なぜ、規制緩和ができなかったのか。
 それは、「規制」があるということは、「規制」に守られて、
おいしい蜜を味わっている人たちがいるのです。
(この規制とは、免許制、許可制、認可制、業界の慣行などがあるでしょう)。
 こうした規制があると、なかなか新規参入はできません。
しかし、政治家や有力者のコネを使って、いったん成功してしまうと、
今度は、その規制が、成功を守ってくれるのです。
だから、成功者は、規制緩和に反対なのです。
規制は、成功者を守るのです。
 そういうわけで、「規制緩和」になりそうになると、
規制によって守られている業界は、政治献金をして、規制緩和を阻止するのです。
あるいは、官僚OBを役員に迎え入れて、官僚OBに、規制を守ってもらうのです。
 いつの時代も、最適な経済政策はあります。
しかし、最適な経済政策は、こうした政治リスクによって、挫折するのです。
 こうした現状に対して、正義感の強いテレビ記者は、
問題提起の報道番組を企画するかもしれません。
しかし、そういう記者は、左遷されるでしょう。
なぜならば、テレビ局も、免許制度によって守られている業界だからです。











































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